この地球上で木は必要不可欠な存在です。
木は森という単位で必要です。
人と森は運命共同体です。
良い森は鳥や動物がたくさんいます。動物にとって貴重な実をつける木もあり、草花が生え、風がかよい、太陽の光がさして、見上げれば空も見えます。明るく爽やかな風が気持ちいい豊かで健康な森です。
悪い森はこの反対です。暗く、じめじめとしていて、草も生えていない、細い木が密集して 動物もいない 恐ろしい不気味な森です。
木は二酸化炭素を吸って 酸素をつくります。二酸化炭素は木の体内にぎゅっと閉じ込めます。
木は太陽の光をあびて 枝を伸ばし、大地に大きな根を張ります。そして土壌を固定します。しっかりと土をつかむのです。
どっしりとした大きな木はその体内にたくさんの水を貯えます。森は大きなダムと同じです。
木同士が密集しすぎていると枝も張れず、太陽の光を浴びる枝が少ないので木の成長が悪く、しっかりと根が張れません。太陽の光が地面に届かないから草も生えず、密集していることで風も通らずじめじめとした土壌は乾かず、水分が木を腐らせてしまいます。
その結果、降水量が多いと 森が雨水を貯えきれず、しっかりと根が張ってない山は地滑りとなって高い方から低い方へ押し寄せてきます。
こうなる前に森に密集している木を切ります。木と木の間隔が広くなるように切ります。場合によっては半数程度伐採します。小さな木は腐食して残った木の栄養になります。これを山の持ち主が代々してきました。木は大きく成長して高値で取引きされました。手入れ次第で山は財産を生みます。しかし、核家族化が進み、木にとって代わる建材の登場で木を使用しなくても事足りる時代になりました。その結果、労力を要する山仕事をする人はだんだんいなくなりました。
きれいな空気のなかで暮らせること、おいしい水が飲めること、心地いい風を感じられること は昔の人が森の手入れをしてくれたおかけです。偉大なる奉仕活動です。現代に生きる私たちは何をしているかというと 川を汚したり 排気ガスを出したり、争いをしたり、いいことをしているようには思えません。
では、何ができるか・・・しなければいけないことは山の手入れですが、山の持ち主にその負担を強要することは酷です。山の維持活動の負担が大きいからです。森と同じダムの機能を草原が持っていますが草原は野焼きをして維持しています。山林にその手法は使えず、手入れが必要な森を健康にする策が急がれます。そして電気や水を使い過ぎない暮らしの改善が必要です。便利に慣れた私達が不便に戻ることはできません。環境に負担の少ない新しい便利を模索しています。
戦後にたくさん木が植えられて七十数年です。古い木を切って新しく元気に呼吸する木を植える時期です。
鞭馬工務店は熊本の木をたくさん使って木の家をつくります。切った木は製品になって湿気を吸ったり吐いたりして生き続けます。多くの水分を貯えらえる木の家をつくります。木で作れるものはつくります。
何も特別でない、あるもので作る日常です。
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